スマートフォンのよくある障害|データ復旧

スマートフォンの障害

このページではスマートフォンのよくある障害をご紹介します。

よくある障害

スマートフォンの修理とスマホデータ復旧の違い

データ復旧では作業に取り掛かる前に初期調査を行います。その際に大きく分けて論理障害と物理障害に分類します。参考までに下記にまとめましたのでご確認ください。

物理障害は落下などの物理的なことが原因となっていることが多く、論理障害は誤って削除してしまったり、初期化など人為的なものに起因する障害です。

複合障害はシステムにおける論理障害か物理障害の両方が起きている可能性が疑われるものです。あくまでも参考程度にとどめていただき、実際には専門家であっても実機の診断をしなければ何もわかり得ません。

トラブル内容 分類 レベル 復旧可能性 対応
誤削除・初期化 論理障害 重度 1% 復元ソフト・復元アプリ
ロゴループ 複合障害 重度 80%前後 データ復旧サービス
落下させてしまった 物理障害 中程度~重度 90%前後 データ復旧サービス
水没 物理障害 中程度~重度 90%前後 データ復旧サービス
電源が入らなくなった 複合障害 中程度~重度 80%前後 データ復旧サービス
注意

写真、動画、録音音声やLINEなどのさまざまなデータが保存されていますが、初期化や削除した場合には専門家であってもデータ復旧することはほとんど不可能です。

データ復旧が不可能・困難な障害

データ復旧・復元って何をするの

スマートフォンのデータの復旧は、画面に何も表示されない、何かしらの障害が発生し、通電しなくなって、起動しないなど、正常に動作しなくなってしまったスマートフォンを一時的に起動できるようにして、復旧したいデータを取り出すサービスが「データ復旧」です。

起動しないスマートフォンの故障原因は特定不可

スマートフォンが起動しない場合においては、何が原因でそのようになっているかは分解するまでわかりません。まさに画面に何もエラーも表示されないブラックボックスと化したデバイスには分解してみないことには何も始まらないのです。実際のところ、それだけではよくわからないし、納得が得られないというのも事実です。そこで具体的なスマートフォン故障・不具合の事例を3つご紹介します。

データ復旧作業で分解作業を行うかは状況次第

データ抽出をするのにあたって、スマートフォンを分解するかどうかはケースバイケースです。分解することで状態をさらに悪化させる可能性もあります。分解はあくまでもあらゆる方法の選択肢の中の一つです。

データ復旧は診断が肝心

この調査がデータ復旧において一番最初に行う作業であり、一番重要な診断作業です。この作業なしで何かしらの処置を行うことは故障したスマートフォンの状態をさらに悪化させる可能性があります。分解しなければデータを抽出することができないのであれば、スマートフォンを分解する必要がありますが、一番最初に行うことではありません。むやみに分解することはデータ消失のリスクを最大化してしまいます。

よくあるトラブル事例

朝起きたら、突然スマートフォンの電源がはいらなくなってしまった、パスワードがわからなくなった、初期化してしまったなど状況はケースバイケースですが、どのような状況で発生したとしてもデータ復旧できる見込みはあります。ただし、同じような状況であっても日々のスマートフォンの使用方法や保存しているデータ量など様々ですのであくまでもご参考までにご覧ください。

スマートフォンの表示異常

ある朝に急に起動しなくなったという方とお話をいたしました。過去に接客をしていた時のことですが、充電器を外したら、落ちるようになってしまって、そのまま起動しなくなったという場合です。

想定される2つの故障原因

このようなスマートフォンのトラブルの場合には、①2年以上使っていることによる経年劣化が疑わしいです。電池の残量が起動するのに十分な量がない②その直前にwifi環境下にあってソフトウェア・アップデートがかかってしまったという2つの場合に分けられます。ただ、充電がきっかけだからと言って、直前までのスマートフォンの挙動を見ていたわけではなければ、断定することはできないのです。

ある日画面が真っ暗に!電源が何度も落ちる

スマートフォン利用中急に電源が落ち、再起動すると暫くは使えましたがまた電源が落ちました。その日に何度が電源が落ち、入れるを繰り返していると、起動→ロゴが表示されてから進まなくなりました。それから2年程度の期間が経っています。

画面に何も表示されない

スマートフォンの画面が真っ暗になっているけれど、電源ボタンを押すとバイブレーターが反応はします!という場合ももちろんあります。その場合には、もしかしたら画面交換で直るかもしれませんが、必ず液晶パネルを交換しても改善するかどうかは一概には言うことができません。

初期化した

iPhoneかAndroid搭載のスマートフォンであるか問わず、初期化した場合には工場出荷時になりますので、データは完全に消失してしまいます。

誤って削除した

データをごみ箱を空にしてしまうと完全に消去されます。スマートフォンが立ち上がったままであるとさらに上書きがされてゆき、この場合もデータが完全に削除されてしまいます。

パスコードのロック

AndroidOSの場合では誤って規定回数を超えるロック解除操作を行い、端末がロックされた場合や、パスコードを忘れてしまった場合でも、状況によっては対応可能なケースがあります。対応の可否や方法は、端末の種類やAndroid OSのバージョンによって異なります。特定の端末メーカーでは、メーカー固有の「開発言語モード」で端末を起動することで、通常の起動手順をスキップし、パスコードを入力せずに記憶領域からデータを抽出することが可能な場合があります。

一方で、開発言語モードを利用できない端末では、通常の解除手順に従う必要があります。たとえば、4~17桁の数字で構成される「PIN」の場合、4桁のPINであれば0000から9999までを順に入力し、解除を試みる方法があります。この作業には専用の自動入力装置を使用しますが、総当たり方式のため、膨大な時間を要することが前提となります。ただし、事前に特定の条件からPINが推測可能である場合には、優先的な組み合わせを試すよう設定することもできます。

スマートフォンの画面ロックとして、9つの点を最低4つ選び一筆で結ぶ「パターンロック」や、4~17文字の英数字や記号を組み合わせた「パスワード」の場合、試行回数が増えるとセキュリティ機能により一定時間入力を受け付けなくなることがあります。このため、ロック解除の試行には非常に長い時間を要する場合があります。特に、試行回数制限が厳しい機種やOSのバージョンでは、短期間での解除は現実的ではありません。

さらに、「指紋認証」については、基本的に復旧や解除が不可能となる場合が多いです。指紋データは端末のセキュリティチップに暗号化されて保存されており、これを外部から操作して解除する方法は現時点では実用的ではありません。

ただし、ロック解除に関するセキュリティポリシーは、端末メーカーやOSのバージョンごとに異なるため、最新の仕様や対応方法を確認することが重要です。また、メーカーによっては「リモートデータ削除」や「初期化後の復元」をサポートしている場合があります。

基板障害

端末が正常な外観でも通電しない、バッテリーに異常がない、水に濡れた場合や大破した場合、これらはすべて基板に関する問題が考えられます。このようなケースでは、まず端末を分解し、異常箇所を特定し修復を試みます。特にUSB端子、Lightning端子(iPhoneのみ)、microSDカードスロット、SIMカードスロットなど、頻繁に使用する箇所は抜き差しによる負荷で基板損傷が生じやすく、充電回路も併せて点検します。

基板そのものに問題がなく、電子部品が原因である場合は、メーカーごとの基板図や回路図を参照し、機能が停止している箇所を絞り込みます。本体が曲がるほどの大破がある場合、微細な電子部品が基板から外れていることが多く、特に慎重な分解が求められます。分解後は、チップ抵抗やチップコンデンサ、チップダイオード、マイクロコイルが外れていないか、はんだ浮きによって回路が途切れていないかを確認します。

マイクロワイヤリングによる回路補修

回路パターンが断線している場合や、低温レーザーで接続されたコネクタに問題がある場合には、0.01mmから0.1mmの極小ワイヤを使って「マイクロワイヤリング」による回路接続を行い、機能の復旧を図ることがあります。この方法は、接続部の損傷や部品の溶解を防ぐために細心の注意が必要です。

チップオフプロセス(Android端末の場合)

Android端末では、基板の腐食や他の方法で解決が難しい障害の場合、最終手段として「チップオフ」によるデータ抽出が行われることがあります。これは、データを記録したeMMCなどの半導体ストレージを取り外し、直接データ抽出を試みる方法です。ただし、このプロセスは基板と半導体がアンダーフィルで密着しているため、アンダーフィルの除去が一度限りの試行となります。

iPhoneのデータ抽出

iPhoneでは、高度な暗号化が施されているため、データを記録した半導体ストレージを同型の別端末に移しても正常に動作しません。暗号化の解除には暗号生成情報を持つ複数の半導体を正常な基板に移植する必要があり、非常に高難度な技術が要求されます。このような移植には顕微鏡を用い、微細な部品の正確な配置が重要です。

暗号化に関する注意点

Android OS 6.0以降を搭載している端末では、デフォルトで暗号化が有効な場合が多いため、チップオフで半導体ストレージを取り外してもデータが暗号化された状態となり、復旧ができないことがあります。また、端末固有のハードウェア情報を組み込んだ暗号化がされているため、他の同型機への換装も不可能です。

破損端末の安全な取り扱い

破損した端末ではバッテリーが変形していることがあり、特にリチウムイオンバッテリーは電極部分に負荷がかかると発火する恐れがあります。発火時には700℃以上の高温に達するため、破損した端末は火気厳禁の場所で保管し、細心の注意を払って取り扱う必要があります。

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