SDカードの構造
SDカードは、主に3つのモジュールで構成されています。インターフェースドライバ、フラッシュメモリ、およびそれらを制御する回路基板です。SDカードの特徴の一つとして、著作権保護技術(CPRM)が内蔵されており、機器間の相互認証が正しく行われないとフラッシュメモリ内のデータにアクセスできない仕組みが採用されています。通常、SDカードの部品は、NAND型フラッシュメモリ、コントローラー、コンデンサ、ヒューズ、プリント基板、外装ケースで構成されています。
基本的な構成は同じですが、コントローラーやフラッシュメモリがモールドされているものもあります。これにより、外的ストレスに対する耐性が強化されています。また、チップ化された素子が樹脂ケースに収められた「一体型」構造のものもあり、この場合、メモリが素子内に組み込まれているため、割れやひび割れが生じると修復が困難になることがあります。
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3つのSDカードの形状
SDカードには、以下の3つの形状が存在します。
SDカード: 幅24mm、長さ32mm、厚さ2.1mm、端子数9ピン
SDカードはこの規格から始まりました。デジタルカメラや携帯電話でのデータ保存メディアとして普及し、他の規格であるメモリースティックやxDピクチャーカードとの競争を勝ち抜いてきました。ただし、転送速度の面では、より高速なコンパクトフラッシュにはまだ及ばない点もあります。そのため、高級コンパクトデジタルカメラのストレージとしては大きく差をつけられています。ただし、SDカードの特徴として、側面のスイッチを移動させることで書き込みをロックできる機能があります。しかしながら、これはデータの削除や書き込みを禁止するものですが、物理的に内部回路を遮断しているわけではなく、リーダー側の認識に依存しているため、スイッチが取れてもテープなどで代用可能です。
規格制定当時はファイルフォーマットがFAT16までを想定していたため、FAT16に基づいており、上限である2GBがSDカードの容量の上限でした。しかし、画像や動画の大容量化に伴い、32GBまで対応するSDHC規格や、それ以上に対応するSDXC規格が登場しました。これらの規格は上位互換性を持ち、カードの物理的な寸法も同一のため、SDXC対応機器でも従来のSDカードを使用することができます。
miniSDカード: 幅20mm、長さ21.5mm、厚さ1.4mm、端子数11ピン
miniSDカードは、従来のSDカードと同じ規格で、サイズが小型化されたものです。拡張用に2本のピンが増設されており、変換アダプターを使うことでSDカードとしても使用できます。一時期はSDカードの売上の半分以上を占め、日本では主に携帯電話で利用されていましたが、microSDカードの登場により、miniSDの販売は減少しています。
microSDカード: 幅11mm、長さ15mm、厚さ1.0mm、端子数8ピン
microSDカードは、miniSDカードと同様に、変換アダプターを使用することでSDカードやminiSDカードとしても使用できます。元々は2004年2月にサンディスクが開発した「TransFlash」を基にしたもので、汎用のリムーバブルメディアとしては最も小型です。現在では、携帯電話やデジタルオーディオプレーヤーなどの容量増設用として、主流の外部メディアとして広く利用されています。