RAID故障によるデータ消失を防ぐ方法とデータ復旧のポイント

リビルドを行う際に注意すべきポイント

リビルドにはリスクが伴うものの、必ずしも専門業者に依頼しなければならないわけではありません。ある程度の知識と慎重さがあれば、自分自身でRAID障害に対応することも可能です。ただし、その場合にはいくつか注意した方が良いポイントがあります。ここでは、リビルドを自力で行う際に特に注意すべき点について解説します。


1. 故障したHDDのシリアル番号を控える

まず最初に行うべきなのが、故障したHDDの特定とシリアル番号の控えです。RAIDを構成する複数のHDDの中で、どれが故障しているのかを正確に把握し、シリアル番号を記録しておくことで、正常なHDDを誤って取り外すミスを防ぐことができます。


2. システムを停止してから作業する

RAIDでは、稼働中の状態でHDDの交換を行う「ホットスペア」と呼ばれる方法もありますが、これは非常にリスクの高い作業です。
特に、動作中の正常なHDDを誤って取り外してしまう危険性があるため、慎重にならなければなりません。

自信がない場合や、状況が不確かな場合は、必ずシステムを停止した状態で作業を行うことを強くおすすめします。稼働中にHDDを抜き差ししてしまうと、データの損失や機器の破損につながる恐れがあります。


3. HDDの順番を間違えないようにする

リビルド作業では、HDDの接続順序が非常に重要です。RAIDは構成時の順番を前提として動作しているため、順番を誤ってHDDを接続してしまうと、構成情報が上書きされ、データの整合性が失われてしまいます

順番の違いによって、元のデータとは異なる構成でRAIDが再構築されると、復旧の難易度は一気に上がります。交換前に各HDDの配置をしっかり確認・記録しておくことが大切です。


4. RAIDのHDDをパソコンに直接接続しない

RAID構成のHDDを1台だけ取り出して、通常のパソコンに接続してもデータを見ることはできません。RAIDは複数のHDDに分散してデータを記録しているため、単体では意味を成さないからです。

さらに危険なのが、HDDをPCに接続した際に表示される「フォーマットしますか?」というメッセージです。誤ってフォーマットを実行してしまうと、元のデータは完全に消去されてしまい、復旧は極めて困難になります

RAID構成のディスクは、PCに直接つなぐのではなく、必ずRAIDコントローラや専用の復旧ツールを通じて取り扱う必要があります。

リビルド失敗のリスクに要注意!RAIDの落とし穴とは?

「RAIDのHDDが1台故障した?大丈夫、交換してリビルドすれば元通り!」
そんなふうに思ってはいませんか?
確かに、RAIDには冗長性があり、1台のHDDが故障しても、システムは継続して動作するように設計されています。そして、故障したHDDを新しいものに交換し、失われたデータを復元する「リビルド」によって、システムは正常に戻る……というのが理想です。

しかし、現実には「リビルド」はそう簡単な作業ではありません。むしろ、慎重さを要する非常にリスクの高い工程です。もし失敗すれば、最悪の場合、すべてのデータを失う可能性すらあります。

このページでは、単純にはいかないリビルドの実情と、その注意点について詳しく解説します。


そもそも「リビルド」とは?

RAIDとは、複数のHDD(またはSSD)を組み合わせ、1つの仮想的なドライブとして認識させる技術です。この仕組みによって、1台のドライブに障害が発生しても、システム全体の稼働が継続できる「冗長性」が確保されています。

そして、障害が起きたHDDを新しいものと交換し、そのHDDのデータを他のディスクから復元する作業、これを「リビルド」と呼びます。


一般家庭にも広がるRAID:NASの普及

RAIDは専門的なシステムだけの話ではありません。最近では、RAID機能を備えた家庭用NAS(Network Attached Storage)が広く普及しています。NASは、パソコンではなくネットワークに直接接続して使う外部ストレージで、家庭内のLANに接続することで、複数のPCやスマートフォンから簡単にアクセスできます。

設定によっては、外出先からでもNASへアクセス可能であり、家庭内だけでなく小規模な会社のデータ保存先としても利用されています。

ただし、このようなNASが身近になった分、RAIDやリビルドに詳しくないユーザーによる誤操作によって、データを破損してしまうケースも増加しています。


「リビルドすれば元通り」は危険な思い込み

多くの製品マニュアルやウェブサイトでは、「内蔵HDDにトラブルが発生しても、リビルドを行えば復旧できる」と紹介されています。しかし、実際の現場ではリビルドはリスクを伴う作業であり、過信は禁物です。


RAIDの「構築」と「復旧」はまったくの別物

RAIDは、LinuxやUnixベースのOSで構成されている場合が多く、復旧作業には高度な知識が必要になります。「RAIDを自分で構築できたから、復旧もできるはず」と安易に考えてしまう方もいますが、これは非常に危険です。

RAIDの構築とデータ復旧では、求められる技術や知識がまったく異なります。使用している機器や発生したトラブルの内容によっても、対応方法は千差万別です。安易な判断で自力復旧を試みると、かえって状況を悪化させてしまうことがあります。

仮にマニュアルを参考にしながらリビルド作業を進めたとしても、途中でトラブルが発生する可能性は十分にあります。そこで焦って不用意な操作をすると、取り返しのつかないデータ損失を招くことも少なくありません。


リビルドの実行は慎重に。判断を誤らないことが大切

RAIDのリビルドは、単なる手順作業ではなく、状況を見極めながら慎重に行う必要のある工程です。特に、家庭用NASや小規模オフィスでRAIDを使用している場合、知識がないままリビルドに手を出すと、大切なデータを失ってしまうリスクがあります。

RAIDに障害が発生したときは、「リビルドすれば大丈夫」と安易に考えず、状況を正しく判断し、必要に応じて専門業者へ相談することをおすすめします。

トップへ戻る