データ復旧と災害対策

地震や土石流などの自然災害は近年非常に多く起きています。や不慮の事故でデータを失うことは、多くの人にとって避けたいトラブルです。火災現場で焼けたり、消火剤で汚れた媒体、津波や豪雨で水没したデバイス、地震の衝撃で壊れた機器など、予期せぬ災害に見舞われた際に大切なデータを諦める方も少なくありません。大切な情報や思い出を失わないために、災害に備えてデータの保管方法や適切な処置方法を確認しておくことが重要です。

災害前の備え

日頃からデータをどのように保管していますか?パソコンにUSBメモリや外付けHDDを挿したままにしている場合、それらが壊れるリスクが高くなります。停電や電圧の変化でデバイスが故障することもあれば、地震でUSBメモリのコネクタが折れたり、ハードディスクが落下したりするケースも多くあります。デジタル機器は消耗品であり、いつかは壊れるものですので、複数の媒体にバックアップを取ることをお勧めします。

バックアップを取る際、同じ場所にすべての媒体を保管していると、火災や地震で全て失ってしまうリスクがあります。そのため、クラウドサービスを併用し、データをネットワーク上のサーバーにも保存することが有効です。クラウドバックアップを自動的に行うソフトウェアを利用すると、手軽にデータを保護できます。インターネットにアクセスできる機器があれば、どのデバイスからでも自分のIDとパスワードでデータにアクセスできるため、被災時でもデータを取り出すことが可能です。

クラウドサービスも完全ではありません。ネットワーク障害が発生すると利用できなくなることもありますので、大切なデータは手元の媒体とクラウドの両方に保管する「データの分散保管」を心がけると良いでしょう。また、停電や雷などのリスクが予測される場合は、事前にPCやHDDの電源を切り、コンセントを抜くことが安全です。

災害に見舞われてデータが読めなくなった場合

万が一、災害に見舞われてデータが読めなくなった場合でも、諦めずに専門のデータ復旧サービスに相談しましょう。災害直後の処置が、その後のデータ復旧の成功率に大きく影響します。以下は、具体的な注意点です。

  • 水没/浸水(海水・雨漏りなど): 水によるダメージを受けた場合でも、迅速な対応が重要です。ハードディスクの場合、乾燥が進むとデータ記録部分に固着が発生し、復旧が困難になります。濡れたタオルと一緒に密封袋に入れて乾燥を防ぐことが推奨されます。USBメモリやSDカードも、可能な限り早く対応することが重要です。濡れた状態で通電させることは絶対に避けてください。
  • 火災: 外装が溶けてしまっても、内部のデータ記録部分が無事であれば復旧の可能性があります。消火で濡れてしまった場合も、水没時と同様に迅速な対応が求められます。
  • 雷・停電: 雷や停電で機器が故障した場合でも、データ復旧が可能なケースがあります。ショートや異常信号でデータが破損することがありますが、通電を避けることでさらなる損傷を防げます。
  • 地震(落下/振動): 物理的な損傷があっても、内部のデータ記録部分が無事ならば復旧可能です。USBメモリの端子が曲がった場合、無理に直そうとせず、専門業者に相談することが重要です。

まとめ

災害時には迅速かつ適切な対応が求められます。データのバックアップは複数の方法で行い、万が一の場合でもデータを失わないように備えておくことをおすすめします。災害後は、復旧の専門家に相談することで、大切なデータを取り戻す可能性を高めることができます。

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