光学メディアの種類とデータ復旧

光学メディアについて

光学メディアは円盤型で似たような形ですが、保存可能なデータの容量が増加したり、保存できるデータの種類が変化したりと進歩してきました。扱えるデータ量が大きくなることでコンテンツとなる映像の解像度も高くなったり、品質が大幅に改良されてきています。

コンパクトディスク

コンパクトディスクは、1982年に市場に登場した光学メディアで、主に音楽データの記録と販売のために開発されました。これはレコード盤の代替として設計され、直径12cm、厚さ約1.2mmのプラスチック製円盤です。開発初期には60分の音楽を収める11.5cmディスクと74分を収める12cmディスクの2つの規格が提案され、最終的には「ベートーヴェンの交響曲第9番」を全曲収録できる12cmディスクが採用されました。この決定により、その後の光学メディアも同様の12cmサイズを継承しています。

CDの表面には微細な凹凸がレーザー光で読み取られ、音楽やデータがデジタル形式でエンコードされます。一般的なCDは最大約700MBのデータを保存でき、約80分の音楽再生が可能です。音楽だけでなく、CD-ROMとしての応用により、ソフトウェア、コンピュータゲーム、マルチメディアコンテンツの配布にも利用されてきました。

さらに、書き込み可能なメディアとしてCD-Rが、また書き込みを繰り返すことができるリライタブルメディアとしてCD-RWが開発されました。これにより、ユーザーは自分でデータを記録し、必要に応じて再書き込みすることが可能になりました。また、市場には通常のCDよりも小さな8cmディスクも存在し、特にシングル楽曲の販売などに用いられましたが、現在はあまり見かけることはありません。

DVD

DVDは、1995年に導入された光学メディアで、CDに続く形でデータ記録用のDVD-ROM、一度だけ記録可能なDVD-R、何度も書き換えが可能なDVD-RWを含む幅広いフォーマットで提供されています。CDが出てから世に出たためCDの後継と思われがちですが、VHSビデオテープの置き換えを目指して映像を記録するために開発されました。

DVDの開発においては、CDと異なり650nmの赤色レーザーを使用し、より細かい溝を掘ることで、一般的な単層ディスクで約4.7GBのデータを記録することが可能となりました。この技術により、CDの約7倍の容量を実現しています。さらに、半透明の記録層を利用することでデータ層を2層に増やすことができ、二層ディスクでは最大8.54GBのデータを保存することが可能ですが、これは理論上の4.7GB×2ではなく、記録層の半透明性による容量の減少を反映した数値です。

DVDのフォーマットは初期に様々な規格が乱立しました。書き込み用ディスクの規格にはDVD+R、DVD+RW、DVD-RAMなどがありますが、これらの派生規格はメーカー間での統一が困難でした。しかし、現在ではこれらのフォーマットは一般的な使用ではあまり見かけることがなくなっています。

DVD技術は、パソコン、家庭用エンターテイメントシステム、さらにはDVD-RWドライブを搭載したビデオカメラや8cmディスクを使用する携帯用デバイスなど、多方面で利用されています。この汎用性と高いデータ容量により、DVDはデジタル時代初期の重要なメディアとしての役割を果たしてきました。

Blu-ray

2003年の地上デジタル放送の開始とともに、ハイビジョン映像が一般的なものとなりました。この時代のニーズに応えるため、同じく2003年にはBlu-ray(ブルーレイ)ディスクが市場に登場しました。この新しい光学メディアは、SD画質の映像しか記録できないDVDを超え、ハイビジョン映像を記録できる能力を備えているため、映像記録の新たな基準となりました。

Blu-rayディスクは、1層タイプで25GB、2層タイプで50GBのデータを記録でき、その高容量は、高解像度映像の記録に特に適しています。さらに、Blu-rayは赤色レーザーを使用するCDやDVDとは異なり、405nmの波長を持つ青色レーザーを使用しています。この短い波長により、Blu-rayはDVDに比べて格段に高い記録密度を実現しています。

記録用のメディアとしては、ライトワンスメディアであるBD-Rと、書き換え可能なBD-REが提供されています。技術の進展に伴い、規格はさらに拡張され、3層以上に対応するBD XLも登場しました。このBD XLでは、3層ディスクで100GB、4層ディスクでは最大128GBのデータを保存できるため、より大量のデータや長時間のハイビジョン映像の保存に対応しています。

Blu-rayはその高いデータ容量と高解像度のサポートにより、地上デジタル放送の普及とともに重要な役割を果たしてきました。

その他の光学メディア

レーザーディスク

実はレーザーディスクは、CDよりも先に市場に登場した世界初の商用光学メディアでした。直径30cmの大型ディスクを使用していました。このメディアは映像の記録用として開発されましたが、映像圧縮技術を使用せず、SD画質の映像を片面に最大1時間しか記録できませんでした。そのため、普及は限定的であり、特にコレクターズアイテムとしての価値が高まっています。

ゲーム機用ディスク

ゲーム機用のディスクは、CD、DVD、またはBlu-rayの技術を基にしていますが、不正コピーを防ぐために独自の保護技術が加えられています。このため、通常のPCではディスクの読み込みができない設計になっており、ゲーム機専用のメディアとしての特性があります。

HD DVD

HD DVDはBlu-rayの直接的な競争相手として市場に登場しましたが、Blu-rayとの規格戦争に敗れて短命に終わりました。このフォーマット戦争には多くの家電メーカー、PCメーカー、映画会社が関与していましたが、Blu-rayが市場での主導権を握ることになります。

Ultra HD Blu-ray

Ultra HD Blu-rayは、従来のBlu-rayディスクの技術を拡張して4K映像やHDR映像の記録が可能となりました。4K対応テレビの普及に伴い、この新しいフォーマットの映像ソフトも増加していますが、デジタル配信の利便性が向上する中で物理メディアの普及は限定的です。特にAmazonビデオやNetflixといったストリーミングサービスが4K映像を提供しており、その影響で物理メディアの市場は縮小しています。

書き換え可能な光学メディア

メディアの種類 データ層 容量
CD-RW 1層 640-700MB
DVD-RW / DVD+RW 1層 4.7GB
BD-RE 1層 25GB
BD-RE DL 2層 50GB
BD-RE XL 3層 100GB

書き換え不可の光学メディア

メディアの種類 データ層 容量
CD-R 1層 640-700MB
DVD-R / DVD+R 1層 4.7GB
DVD-R DL 2層 8.54GB
BD-R 1層 25GB
BD-R DL 2層 50GB
BD-R XL 3層/4層 100GB/128GB
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