USBメモリが認識しない原因と改善方法
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知っておきたいパソコン基礎知識
パソコンが自宅にない、職場や研究室で作業をする際にデータを持ち運ぶのに便利なUSBメモリ。スマートフォンやコンビニのコピー機をはじめとしたさまざまな機器で利用でき、仕事やプライベートでのデータの受け渡しなど、幅広いシーンで活用されています。
しかし、大切なデータを保存しているUSBメモリが突然認識されなくなることもあります。万が一のトラブルに備え、USBメモリの状態を確認し、適切に対処する方法について、データスマートがご案内いたします。
USBメモリに問題が発生した場合、データ復旧業界の用語定義ではありますが、その障害は大きく「物理障害」と「論理障害」の2つに分類されます。
物理障害
USBメモリには、構造上の物理的な制限や寿命があります。例えば、メモリチップの書き換え回数やコネクタ部分の抜き差し回数には限りがあり、さらにデータ保持期間にも上限があります。
USBメモリはその仕組み上、長期間使用すると劣化しやすくなります。また、製造時の検証テストで合格したとしても、その後の劣化の進行度には個体差があり、すべてが同じ耐久性を持つとは限りません。場合によっては、特定の部分だけが急速に劣化してしまうこともあるため、注意が必要です。
▶ メディア解説 > USBメモリの代表的な障害
USBメモリの障害について
論理障害
USBメモリ内のフォーマット情報やフォルダ名、ファイル名、実データ情報などの構造情報が破損した場合に発生し、次のような症状が見られます。
- USBメモリのデータが表示されない
- フォルダ名やファイル名がすべて文字化けしている
- アクセスしようとするとエラーメッセージのポップアップが表示される
このような障害が発生した場合は、適切な対応を行うことでデータ復旧の可能性を高めることができます。
これらはいずれも、論理障害の可能性が考えられるメッセージです。
これらのメッセージと共に、「フォーマット」や「チェックディスク」の実施を求められることがありますが、その際に 承諾したり、「はい」を押したりしないでください。
これを実行すると、データの構造が消去・書き換えされ、データが完全に失われてしまう可能性があります。
メッセージが表示されても慌てずに、USBメモリを一度取り外し、適切な対処法を確認するようにしましょう。
万が一、誤って承諾してしまった場合でも、データの一部の痕跡が残っている可能性があります。しかし、一度書き換えられた構造情報を元の状態に戻すことはほぼ不可能です。もし承諾してしまった場合は、データスマートにご相談ください。
原因の切り分け
ここまでUSBメモリに発生する障害についてご紹介しましたが、USBメモリが認識しない場合、その原因は「USBメモリ側の問題」だけではなく、「パソコン側の問題」の可能性も模索する必要があります。
USBメモリに問題がある場合
- USBメモリ自体の故障
- USBメモリのコネクタや端子の破損
- USBメモリ内部の基板などの故障
- コントロールチップやフラッシュメモリの故障
- フォーマット情報の破損 など
パソコンに問題がある場合
- パソコン自体の故障
- USBポートやUSBハブの動作不良
- USBドライバの破損や設定の問題
- 常駐ソフトの影響 など
まずは、どちらに問題があるのかを切り分けることで、適切な対応を行うことが重要です。ここからさらに何かできないか、ということをご紹介いたします。専門家の立場から申し上げると以下の対応をすることで復旧可能性を下げてしまうものであることを述べておきます。
対処法
まずは、USBメモリが以下のような状態になっていないかを確認してください。
- 端子が曲がっていないか?
- 外装に傷やヒビなどの破損がないか?
- コネクタや端子内部にほこりやゴミ、汚れが付着していないか?
USBメモリのコネクタや端子部分は、わずかな力でも曲がることがあります。また、使用環境によっては端子部分にほこりやゴミが詰まり、正常にアクセスできなくなることもあります。
もしほこりやゴミが確認された場合は、エアダスターなどを使用して清掃 してください。また、接触不良が原因で認識されない場合は、接点洗浄剤や復活剤 を使うことで回復する可能性があります。綿棒などを用いたクリーニングも有効です。
端子や外装が破損・欠損している場合、自力での対処は困難になります。無理に分解するとフラッシュメモリを傷つけ、データ復旧が不可能になる こともあるため、このような場合は データスマートのご利用をおすすめします。
USBメモリに目立った異常がない場合、問題は パソコン側にある可能性 があります。次の方法を試して、USBメモリが認識されるか確認してください。
別のパソコンで試す
パソコンの不具合が原因でUSBメモリを認識しない場合もあります。ただし、ドライバーや設定が原因の場合は特定が難しい ため、まずは他のPCで動作を試してみてください。他のPCが使えない場合は、以下の手順を試しましょう。
USBポートや接続方法を変更する
- 別のUSBポートに接続してみる
- USBハブを介さず、直接パソコンに接続する
これにより、USBメモリを認識できるようになる場合があります。
他のUSB機器を取り外す
USBメモリは、パソコンの 電力供給 によって動作します。他のUSB機器を同時に接続していると、電力不足が原因で認識されない場合 があります。不要なUSB機器を取り外してから再接続してみてください。
常駐ソフトを無効化する
セキュリティソフトやバックグラウンドで動作している常駐ソフトが影響し、USBメモリの認識を妨げる ことがあります。一時的に無効化して、再接続を試してください。
デバイスマネージャーで確認する
Windowsの デバイスマネージャー を開き、「不明なデバイス」と表示されている場合は、該当のデバイスを削除して再認識を試みます。
ディスクの管理画面で確認する
Windows 10の場合、画面左下の スタートボタンを右クリック → [ディスクの管理] を選択 することで、USBメモリの状態を確認できます。以下のような表示になっていないか確認してください。
- 「未割り当て」や「未フォーマット」の表示がある
- ファイルシステム欄が「RAW」になっている
- ディスク欄に「メディアなし」と表示される
これらの表示が出ている場合、USBメモリが 正しく読み込めず、何らかの障害が発生している 可能性があります。
無理な作業はデータ復旧を困難にする可能性があります。
障害が発生している場合、無理に作業を進めると状況が悪化し、データ復旧がより困難になる ことがあります。
データスマートでは、以下のようなUSBメモリのデータ復旧に対応しています。
認識しないUSBメモリ
物理的に壊れたUSBメモリ
誤って削除・フォーマットしたUSBメモリ
データ復旧をご希望の際は、お気軽にご相談ください。