復旧後データの取り扱い
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知っておきたいパソコン基礎知識
パソコン(PC)のデータは、多数のファイルで構成され、主に2つのタイプに分類されます。1つは「ユーザーデータ」と呼ばれ、ユーザーが作成したファイルです。これには、画像、動画、音楽、文書ファイル、図面、メール、経理ソフト、データベースなど、さまざまな種類のデータが含まれます。
もう1つは、アプリケーションの実行ファイルやOSなど、システム側が管理している特殊なファイルで、これらは総称して「システムファイル」や「システムデータ」と呼ばれます。
ユーザーデータは、別のPCにコピーした際、対応するソフトがあれば開くことが可能です。しかし、システムファイルはコピーしても基本的には動作しません。これは、プログラムが動作するためには、構成するすべてのファイルが揃っている必要があり、これらのファイルがさまざまな場所に分散しているためです。さらに、Windowsの動作中に書き換えられないファイルの中にも、プログラムの動作に必要な情報が含まれていることが多いため、すべてをコピーできたとしても正常に動作しません。
一般的なユーザーデータ
PCでデータを閲覧するには、対応するアプリケーション(ソフト)が必要です。例えば、文書系のデータとして広く利用されているマイクロソフトオフィスの文書ファイル(Word、Excel、PowerPointなど)は、多くのPCに標準でアプリケーションが備わっているため、ほとんどの環境で表示・編集が可能です。
作成・保存時に使用していたアプリケーションがインストールされているPCであれば、基本的に問題なく閲覧できます。しかし、注意が必要なのは、特殊なソフトを使用していた場合にPCが故障すると、データを開くためにそのソフトを別のPCに導入する必要が生じる点です。ソフトが入手できない場合、せっかく取り出したデータがあっても再利用できなくなる可能性があります。
画像/動画ファイル
写真データは、主にJPEG形式が使用されています。JPEGは標準化された規格であり、ほぼすべての写真閲覧ソフトが対応しているため、特別なソフトをインストールしなくても、PCに付属のビューアーで表示が可能です。
動画ファイルには多様な形式が存在します。代表的なものとしてAVI、MPG、MOD、MP4などがあり、それぞれ対応する再生ソフトが必要となります。
しかしながら、最新のPCに標準搭載されているメディアプレーヤーでは、一般的な動画形式の再生が可能なため、通常は特に気にする必要はありません。ただし、Windows XPやVistaなどの古いPCではMP4形式の再生に対応していない場合があるため、その点には注意が必要です。
また、同じ拡張子であっても、撮影したカメラによっては動画の圧縮方式が異なり、再生時に「このファイルの種類はサポートされていません」や「サポートされていないファイル形式です」といったエラーが表示されることがあります。その場合は、対応した再生ソフトをインストールすることで再生が可能になります。
データ閲覧時の注意点
データを作成したPCとは別のPCで閲覧する場合、同じソフトがインストールされている環境でも注意が必要です。
関連付けについて
通常、データファイルをダブルクリックすると、対応するソフトが自動的に開きます。これは「関連付け」という仕組みによるもので、ファイルの拡張子ごとに適切なソフトがPC内で紐付けられています。
この関連付けはPCごとに異なるため、例えば拡張子「.txt」がWordに関連付けられているPCと、メモ帳に関連付けられているPCでは、同じファイルでも開いた際の表示結果が異なることがあります。
バージョンの違いによる影響
同じソフトであってもバージョンが異なると、正常に表示できない場合があります。多くのソフトは上位互換性を持っており、古いバージョンで作成したデータを新しいバージョンで開くことができます。
しかし、新しいバージョンで保存されたデータが、古いバージョンで開けない場合もあります。これは、新バージョンで互換性のない新しいファイル形式が採用されることがあるためです。
基本的に、互換性のないソフトを使用している場合は開くことができませんが、メーカーが対応プログラムを提供していることがあります。例えば、Microsoft Officeでは、Office 2013で保存したデータをOffice 2003で開くために、「互換機能パック」を導入することで対応可能です。