削除したファイルの復元について|方法・注意点

パソコンを操作している最中に、うっかり重要なファイルを削除してしまった経験のある方も多いのではないでしょうか。しかし、削除してしまったファイルも、適切な対応を取ることで復元できる可能性があります。
本記事では、削除されたファイルの復元方法や、復元を成功させるために押さえておくべき注意点について詳しく解説します。

削除したファイルはどこへ?行き先

パソコン上でファイルを削除すると、通常は一時的に「ごみ箱」に移動します。この段階では、ファイルが完全に消えたわけではなく、実際のデータはパソコン内部にまだ残っている状態です。

しかしながら、ごみ箱を経由せずにファイルが完全に消去されてしまうケースも削除の方法によっては、存在します。特に、以下のような場合、ごみ箱に残りません。

  • 「Shift」+「Delete」キーを使用して削除した
  • 削除後にごみ箱を空にした
  • ごみ箱の自動削除機能が有効になっている
  • ウイルス対策ソフトによってファイルが削除された
  • データを保存していたストレージを初期化した

直接削除されるため、復元が難しくなる可能性があります。削除したファイルがごみ箱に残っているかどうかで、復元の難易度は大きく変わります。万が一の事態に備え、手動でファイルを削除する際は、できるだけごみ箱を経由する形で行うのがおすすめです。

ドラッグアンドドロップで削除したいファイルをごみ箱に移動する、消去したいフォルダにカーソルを合わせ、右クリックでゴミ箱に移動させるなど一般的な方法が最も復元率を高めます。

ファイルの復元方法

削除したファイルの復元について、手順の難易度や復元の成功率は方法によって異なります。その方法はいくつかあります。ここでは、Windows 10 を例に、代表的な復元方法を紹介します。


1. ごみ箱から復元する

ファイルを削除した場合、まずはごみ箱に残っているかを確認するのが基本です。ごみ箱にデータがあれば、簡単な操作で復元することができます。

《ごみ箱からの復元手順》

  1. ごみ箱フォルダを開き、削除されたファイルの一覧を表示する
  2. 復元したいファイルを右クリックし、「元に戻す」を選択する

2. ファイルの履歴から復元する

ごみ箱からも削除されてしまった場合でも、Windowsの「ファイル履歴」機能を有効にしていれば、そこから復元できる可能性があります。

《ファイルの履歴から復元する手順》

  1. タスクバーのスタートボタンをクリックし、「Windowsシステムツール」→「コントロールパネル」を開く
  2. 「ファイル履歴でファイルのバックアップ コピーを保存」をクリック
  3. 「個人用ファイルの復元」を選択し、復元したいファイルがある日時の画面を表示する
  4. 復元したいファイルを右クリックし、「復元」を選択後、「ファイルを置き換える」をクリック

3. 「以前のバージョン」に戻す機能を利用する

ファイル自体のファイル名や削除した日時が不明な場合は、「以前のバージョン」に戻す機能を活用すると復元できることがあります。

《「以前のバージョン」に戻す手順》

  1. 消えたファイルが保存されていたフォルダを右クリックし、「以前のバージョンの復元」を選択する
  2. 復元したいバージョンを選び、「復元」をクリックすると、ファイルが元の状態に戻る

ファイル復元機能の利用と注意点


ファイル履歴機能を利用するための事前設定

この機能を利用するには、事前に「ファイル履歴」機能を有効にしておく必要があります。
バックアップ先となるドライブを接続し、以下の手順で設定を行いましょう。

  1. 「設定」→「更新とセキュリティ」→「バックアップ」の順に進む
  2. 「ドライブの追加」をクリックし、バックアップ先を指定する

4. 復元ポイントを利用してファイルを復元する

Windowsには、システムの状態を定期的に記録する「復元ポイント」機能があります。
この機能を利用すれば、過去の復元ポイントに戻してファイルを取り戻せる場合があります。

⚠ 注意点
この方法を使用すると、復元ポイント以降に保存されたファイルやインストールしたソフトウェア(ソフトやファイルなど)が失われる可能性があります。復元を実行する前に、重要なデータのバックアップを取っておくことをおすすめします。

《復元ポイントを利用した復元手順》

  1. タスクバーのスタートボタンを右クリックし、「システム(Y)」を選択し、クリック
  2. 画面右下の「システムの保護」をクリックし、「システムの復元」を選択し、クリック
  3. 「システム ファイルと設定の復元」の画面が表示されたら、「次へ」をクリック
  4. 復元したいポイントを選び、「次へ」をクリック
  5. 復元ポイントの詳細を確認し、「完了」をクリック
  6. 「システムの復元を開始したら、中断できません。続行しますか?」と表示されるので「はい」をクリック
  7. システムの復元が完了し、PCが自動で再起動する

補足
過去に復元を実行したことがある場合、「推奨される復元」や「復元の取り消し」といった項目が表示されることがあります。その際は、「別の復元ポイントを選択する」にチェックを入れて「次へ」をクリックしてください。

システムの復元には時間がかかるため、余裕のあるときに行うようにしましょう。


5. 復元ソフトを活用する

データ復元ソフトを使用すれば、削除したファイルを取り戻せる可能性があります。
無料版・有料版とさまざまなソフトが提供されており、メリットはその手軽さと、低価格で復元を試みられるところです。

⚠ 注意点

  • 復元の成功率は保証されない
    • 削除後に時間が経過している場合や、大容量のファイルを復元しようとする場合、ソフトでは対応が難しいことがあります。
  • 誤操作によるリスク
    • ソフトの使用方法を誤ると、状態が悪化し、データが完全に失われる可能性もあるため、慎重に操作する必要があります。

ファイル復元時の注意点

削除されたファイルは、画面上では見えなくなっているだけで、パソコン内部に残っている可能性があります。
そのため、データが上書きされない限りは復元できるチャンスがあります。

復元を試みる際のポイント

  • 上書きやフォーマットを避ける
    • 誤削除に気づいたら、新規データの書き込みやフォーマットを行わず、復元作業を優先しましょう。
    • データの上書きを防ぐことで、復元の成功率が高まります。
  • パソコンの操作に自信がない場合は慎重に
    • 自力での復元作業にはリスクが伴うため、不安がある場合は無理に試みない方が安全です。

重要なファイルの復元は専門業者に相談を

大切なデータを安全かつ確実に復元したい場合は、データ復旧の専門業者に相談するのがおすすめです。
特に、以下のようなケースでは専門業者の利用を検討しましょう。

自力での復元に自信がない
高度な技術が必要なデータ復旧が求められる
重要なビジネスデータや思い出の写真などを復元したい

データ復旧の専門サービスを利用すれば、経験豊富なプロフェッショナルが適切な方法で復元作業を行います。

ファイル復元に不安がある場合は専門業者へ相談を

誤ってファイルを削除してしまうことは、誰にでも起こり得るトラブルです。ごみ箱に残っている場合は簡単に復元できますが、そうでない場合は復元の難易度が高くなります。

復元方法を知っておくことも重要ですが、最も大切なのは、日頃からバックアップを取って誤削除のリスクを減らすことです。定期的なバックアップを習慣にすることで、大切なデータを守ることができます。

また、自力での復元作業に不安がある場合は、できるだけ早めに専門業者に相談することをおすすめします。プロの技術を活用することで、安全かつ確実にデータを復元できる可能性が高まります。

関連情報

データ復元サービスをお探しでしたら、私たちデータスマートにお問い合わせください。

トップへ戻る