コンピューターウイルスと対策ソフトについて

コンピューターウイルスについて

コンピューターウイルスは、プログラムやデータを破壊したり、機能不全を引き起こしたりする悪意のあるソフトウェアです。これは自己複製機能を持ち、一度感染すると他のプログラムやファイルにコピーを挿入し、広がり続けます。ウイルスは、電子メールの添付ファイル、ダウンロードしたファイル、感染したウェブページからの自動ダウンロードなど、さまざまな方法でコンピュータに侵入することができます。

対策ソフト(アンチウイルスソフトウェア)

アンチウイルスソフトウェアは、コンピュータウイルスや他のマルウェアを検出、隔離、削除するために設計されています。これはリアルタイム保護を提供することで、新しい脅威に対しても即座に反応することが可能です。主な機能には以下のものがあります:

  • リアルタイムスキャン: ファイルが開かれたり、システムにダウンロードされたりしたときに自動的にスキャンを実行します。
  • ウイルス定義データベースの更新: 新しいウイルスや変異に迅速に対応するため、ウイルス定義を定期的に更新します。
  • ヒューリスティック分析: 未知のウイルスを検出するために、挙動を分析し、怪しい活動が見られるファイルやプログラムを特定します。
  • システムの全体スキャン: 定期的にコンピュータ全体をスキャンして、隠れた脅威を見つけ出します。

マルウェア(悪意のあるソフトウェア)は、ユーザーの知らない間に不正な行動を行うように設計されたソフトウェアです。これには、個人情報の盗難、コンピュータの機能の妨害、不正なアクセスの許可、または広告の表示などが含まれます。マルウェアは多くの形態をとり得るため、その種類と主な特徴を以下に示します:

  1. スパイウェア: スパイウェアは、ユーザーの情報を密かに収集して攻撃者に送信する悪意あるソフトウェアです。特にキーロガー機能を持つスパイウェアは、ユーザーが入力する情報(例えば、パスワードやクレジットカード番号)を記録し、攻撃者に提供します。一度インストールされると、通常のセキュリティ対策では検出や除去が困難になります。スパイウェアによって銀行口座からの不正引き落とし、企業の情報漏洩を引き起こすことがあります。
  2. バックドア:不正なアクセスを可能にする隠れた入り口のことです。勝手口や裏口のようなものを連想させるのでバックドアと呼ばれています。攻撃者はこのバックドアを利用して、感染したシステムにリモートからアクセスし、データの盗みや破壊、システムの制御を行います。バックドアはトロイの木馬として正規のソフトウェアに偽装されることが多く、ユーザーに気づかれにくい形で設置されます。一度設置されると、通常のセキュリティ対策では検出や除去が困難になります。また、バックドアを利用してゾンビコンピュータを作成し、ボットネットの一部として利用することもあります。これにより、個人情報や機密データが漏洩するリスクが高まり、企業や個人のセキュリティに重大な脅威をもたらします。
  3. スケアウェア: スケアウェア(Scareware)は、ユーザーに偽の警告メッセージを表示して不安を煽り、不必要なセキュリティソフトウェアやサービスを購入させることを目的とした悪意のあるソフトウェアです。この手法は、恐怖を利用してユーザーを騙すことからその名が付いています。警告メッセージには、問題を解決するために特定のセキュリティソフトウェアを購入するよう指示が含まれています。これらのソフトウェアは高価であることが多く、実際には何の効果もないか、さらなるマルウェアを含んでいることがあります。
  4. ルートキット:攻撃者がシステムへの不正なアクセスを隠蔽し、持続的に制御するために使用する一連のツールやソフトウェアのことです。これらはオペレーティングシステムの核心部分に深く潜り込み、管理者権限(ルート権限)を取得してシステムの制御を掌握します。企業や個人のデータセキュリティにとって重大な脅威となります。対策としては、システムの定期的な監視や高度なセキュリティソフトウェアの導入、そしてシステムの異常を早期に検出するためのログの綿密な分析が求められます。
  5. ランサムウェア: ユーザーのファイルを暗号化またはブロックし、解除のための身代金を要求するマルウェア。
  6. アドウェア: ユーザーに不要な広告を表示し、しばしばブラウザのホームページや検索エンジンを変更するマルウェア。

【対策】マルウェアから保護する方法

意識的にできる対策

  1. 怪しいファイルを開かない
    • 不審なメールやメッセージに添付されたファイルを開かない。
    • 信頼できないウェブサイトからのダウンロードを避ける。
  2. 疑わしいリンクをクリックしない
    • 不明な送信者からのメールにあるリンクやメッセージ内のリンクをクリックしない。
    • 怪しいサイトは見に行かない。
    • 開発者が信頼できない怪しいソフトはダウンロードしない
  3. 警告メッセージにすぐ反応しない
    • 突然表示される警告メッセージに対してすぐに反応しない。
    • 感情的にならず、冷静に対応する。
  4. 出所のわからないUSBメモリを開かない
  5. パスワードなしでアクセスできる無料のWi-Fiに接続しない

導入検討する対策

  1. 信頼できるセキュリティソフトウェアを使用する
    • 常に最新のセキュリティソフトウェアをインストールし、定期的にシステムをスキャンする。
    • ソフトウェアの自動更新を有効にする。
  2. 公式サイトからのダウンロード
    • ソフトウェアやセキュリティツールは公式サイトからのみダウンロードする。
    • ソフトウェアの評価やレビューを確認する。
  3. ブラウザのポップアップブロッカー機能を有効にする
    • ブラウザの設定でポップアップブロッカー機能を有効にして、不審なポップアップを防ぐ。
  4. 定期的なバックアップを行う
    • データを定期的にバックアップし、スケアウェアの被害に遭ってもデータを復元できるようにする。
  5. OSやソフトウェアの更新を怠らない
    • オペレーティングシステムやインストールしているソフトウェアを常に最新の状態に保つ。
    • セキュリティパッチがリリースされたらすぐに適用する。
  6. ネットワークのセキュリティを強化する
    • ファイアウォールやルーターのセキュリティ設定を適切に設定する。
    • 公共のWi-Fiを利用する際は、VPNを使用する。
  • アンチウイルスソフトウェアの使用: リアルタイム保護を提供するアンチウイルスソフトウェアを常に更新し、稼働させる。
  • ソフトウェアの更新: オペレーティングシステムやアプリケーションを最新の状態に保ち、セキュリティパッチを適用する。
  • 慎重なダウンロード: 未知のソースからのファイルダウンロードや添付ファイルの開封を避ける。
  • 強力なパスワードの使用: 複雑で予測不可能なパスワードを使用し、定期的に更新する。
  • ファイアウォールの使用: インターネット接続にファイアウォールを設定し、不正なアクセスをブロックする。

マルウェアの脅威は日々進化しているため、これらの基本的な安全対策を継続的に行うことが重要です。これにより、データの安全を保ち、不正な活動から保護することができます。

主なウィルス対策ソフト

  1. Norton Antivirus(ノートンセキュリティシリーズ)
    • Nortonは、株式会社シマンテックが開発したウイルス対策の分野で長年の実績を持つソフトウェアです。リアルタイムの脅威防止、クラウドバックアップ、パスワード管理など、多様な機能を提供します。
  2. McAfee Total Protection(マカフィー株式会社)
    • McAfeeは総合的なセキュリティソリューションを提供し、ウイルス、マルウェア、ランサムウェアの防止に優れています。加えて、パスワード管理や暗号化機能も備えています。Android用のソフトはdocomoに採用されておりスマートフォン(iPhone以外)に標準搭載されています。
  3. Kaspersky Anti-Virus
    • Kaspersky(カスペルスキー)は、株式会社カスペルスキー(ロシア)が開発したソフトで高度なウイルス検出技術とリアルタイムの保護機能を提供します。PCやモバイルデバイス向けのセキュリティ対策も充実しています。ランサムウェアに暗号化されてしまったファイルを復号化によって復元することができます。
  4. Bitdefender Antivirus Plus
    • Bitdefenderは、高い検出率と軽快な動作が特徴です。フィッシング対策やプライバシー保護機能も備えており、ユーザーのデータを守ります。
  5. ESET NOD32 Antivirus
    • ESETは軽量でシステムへの負担が少ないのが特徴です。強力なウイルス検出能力と迅速なスキャン機能を提供します。
  6. Avast Free Antivirus
    • Avastは無料のウイルス対策ソフトとして人気があります。基本的なウイルス防止機能に加え、パスワード管理やネットワークセキュリティスキャンなどの追加機能も提供しています。
  7. AVG AntiVirus Free
    • AVGも無料で利用できるウイルス対策ソフトです。リアルタイムの保護、リンクスキャナー、メールシールドなど、多彩な機能を備えています。
  8. Windows Defender
    • Windows Defenderは、Windowsに標準搭載されているウイルス対策ソフトです。基本的なウイルスとマルウェアの防止機能を提供し、Windows環境に最適化されています。
  9. ウイルスバスター(トレンドマイクロ株式会社)
    • ウイルスバスターは、日本のトレンドマイクロ株式会社が提供するウイルス対策ソフトです。多層的な保護機能を持ち、フィッシング対策やプライバシー保護機能も充実しています。家庭用から企業向けまで幅広いラインナップがあります。URLの危険性もクリック前に色で表示してくれる機能があるので判別することができます。
  10. ZEROスーパーセキュリティソースネクスト株式会社
    • ソースネクスト株式会社が提供するウイルス対策ソフトには、「ZEROスーパーセキュリティ」などがあります。軽量で使いやすく、コストパフォーマンスに優れた製品が特徴です。自動更新やリアルタイムの保護機能を備えており、初心者にも扱いやすい設計です。

まとめ

これらの対策により、コンピューターをウイルスの脅威から守り、データやプライバシーを保護することができます。

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