ファイルが開けない・再生ができない場合の起因するものは?

知っておきたいパソコン基礎知識
フォルダや写真ファイル保存アプリにアクセスし、ファイルを開くことはできても、ファイル自体は破損しており、実際に開くことができないというお問い合わせをいただきます。具体的には下記のようなトラブルです。- 画像の一部がグレーで表示される
- 写真の途中から色が変わっている
- 「このファイルはサポートされていない形式のようです」といった警告が表示される
- ファイル一覧では正常に見えるものの、開くと画像が破損している
アクセス速度が異常に低下するケースについて
一般的にアクセス速度が低下する場合、メディア上のリードエラーなどの物理的な障害、接続機器やPCなどのデバイス側の問題、あるいはシステム(OS)の不安定さなど、さまざまな要因が考えられます。
通常、このような状態になった場合でも、適切な処置を施しながら時間をかけて試行を重ねることで、データを正常に読み出せるケースは少なくありません。
しかし最近では、一見正常にアクセスできているように見えても、実際には破損した状態でしかデータを取り出せないSDカードやmicroSDカードが増えてきています。
これはメモリチップにトラブルが発生していることが確実であるものの、そのエラーが表面上にはっきりと現れないため、正確な原因の特定が難しい状況です。特に、リードエラーが発生していないにもかかわらず、アクセス速度が極端に低下する症状が頻繁に確認されています。
定型情報が破損しているケース
一般的に、画像・文書・動画・メールなど、あらゆるデータにはそれぞれ固有の定型書式が存在します。例えば、画像ファイルには「EXIF」と呼ばれる情報が含まれており、撮影日時や使用したカメラのモデルなどの撮影条件が記録されています。この情報は、ファイルのプロパティなどから簡単に確認することができます。
動画ファイルにも同様に定型の書式情報が存在しますが、その形式は動画のファイル形式や撮影機器のメーカーによって異なり、さらにPC上のプロパティとして表示されないことが多いため、目にする機会は少ないかもしれません。
また、これら以外にもファイルの先頭部分には特定のフォーマットに基づいた記述が含まれていることが多く、データ復旧を行う際の重要な手がかりとなります。
何らかの障害が記憶媒体に発生し、この情報が消失または書き換えられてしまうと、再生ソフトウェアが「これは動画ではない」「これはExcelファイルではない」と判断し、再生や展開ができなくなることがあります。パソコンでデータを再生・展開する際、まず最初にファイルの定型情報を参照し、正常に読み取れるかを確認するためです。
これは、人間が物理的な書類や書籍を見る際に、タイトルや表紙を頼りに中身を推測するのと似ています。表紙が欠けているだけで、内容が揃っているにもかかわらず「この書類は不完全だ」と判断されるように、ファイルの基本情報が失われると、データが本来存在していても開けなくなる場合があります。
特に動画データは、このようなトラブルが発生しやすく、ファイル自体が存在していても再生できないという状態でのデータの復旧、復元のご相談は比較的多くいただいています。
動画ファイルの生成プロセスでは、再生時間の長さや音声の配置などのメタ情報は、撮影開始時には未確定の状態です。一方で、動画データそのものの書き込みはリアルタイムで行われ、録画終了時にメタ情報が追加される仕組みになっています。
そのため、撮影中にバッテリー切れや落下などの予期せぬトラブルが発生し、異常終了した場合、メタ情報の書き込みが完了しないままとなり、動画の実データ部分は残っているにもかかわらず、再生できないファイルが生成されることがあります。
弊社では、このように不完全な状態で保存された動画ファイルについても、必要な情報を補完し、再生可能な状態へ修復するサービスを提供しております。お困りの際は、お気軽にご相談ください。
特殊な動画を復旧したケース
ドローンによる空撮映像、GoProなどのアクションカメラ、ドライブレコーダー、監視カメラなどで撮影された動画は、通常のビデオカメラとは撮影環境が大きく異なるため、一般的な動画形式とは異なる特殊なフォーマットが使用されている場合があります。
特に監視カメラの映像データに関しては、専用の再生ツールがなければ再生できないケースもあり、通常のメディアプレイヤーでは開けないことが少なくありません。また、保存されるデータの保管期限の関係で完全に消失していることもすくなくありません。
このようなデータの場合、アクシデントやトラブルが発生すると、一般的な復旧ソフトでは復旧できないケースが多く見られます。
特に削除やフォーマットを行った場合、フォルダやファイルの構造情報が丸ごと失われる可能性が高く、動画ファイル固有の情報を手がかりに切り出しながらデータを回収するしかない場合もあります。
このようにして取り出したファイルは、動画の定型情報が欠落している状態となることがあり、その結果、ファイルが見つかったとしても不完全なため再生できないケースが発生します。
特殊な動画ファイルの場合、それぞれの動画形式を正確に理解し、不足している情報を補完したり、断片化したデータを適切に繋ぎ合わせたりすることで、初めて正常に再生できる状態へ修復する必要があります。
写真が変色してしまった。サムネイルは正常に見えるものの、開くと画像が壊れているなどの状態は接続機器を用いてセクターエラーを調査することも可能です。また、Wordファイルが開けなくなった等、パソコンでお使いのデータでお困りの際にはデータスマートにご依頼ください。画像、動画データにの復旧において多数の事例がございます。