マルウェアの一種「ルートキット」について
パソコンに害を及ぼすソフトウェアは総称して「マルウェア」と呼ばれます。この中にはウイルスやトロイの木馬に加え、「ルートキット」と呼ばれる種類も存在します。
ルートキットは、攻撃用の複数のツールを一つにまとめたソフトウェアで、攻撃者がターゲットのコンピュータに侵入し、管理者権限(ルート)を奪うために使用されます。管理者権限を取得されると、以下のような操作が可能になります:
- 遠隔操作ソフトのインストール
- パスワード窃盗ソフトの使用
- 別のコンピュータを攻撃するためのソフトの導入
- セキュリティソフトの無効化
- キーログ(キーボード入力の記録)の実行
最近では、パソコンだけでなく、Androidデバイスを標的にしたルートキットも確認されています。
ルートキットが管理者権限を奪う方法にはさまざまな種類があります。一般的には、パソコンの管理者権限を直接奪取するタイプが多いですが、より高度なものとして以下の手法が存在します:
- ブートローダやファームウェアへの感染
Windowsが起動する前に実行される部分に感染するため、起動後のWindowsからは検出が非常に困難です。
ルートキットは、プログラムの脆弱性を悪用して侵入します。侵入後、攻撃者は任意のプログラムを実行可能な状態を作り、侵入用プログラムや追加ツールをインストールします。
ルートキットへの感染を防ぐためには、以下の対策が有効です:
- ソフトウェアの定期的なアップデート
プログラムの脆弱性を修正することで、攻撃の隙を減らします。 - 外部デバイスやメールの慎重な取り扱い
出所不明のUSBメモリを接続しない、未知のメール添付ファイルを開かない、悪質なウェブサイトにアクセスしないことが重要です。 - 感染経路の遮断
ウイルス対策ソフトを導入し、常に最新の状態を維持することも有効です。
ルートキットに感染した場合、除去は通常のウイルスよりも困難です。そのため、感染が判明した際には、以下の手順を検討してください:
- 必要なファイルをバックアップする。
- パソコンを初期化する。
ルートキットは非常に危険なマルウェアですが、適切な対策を取ることで侵入リスクを大幅に減らすことが可能です。日々の注意が、被害を未然に防ぐ鍵となります。
コンピューターウイルスと対策ソフトについて