ファイル・フォルダの管理ルール

フォルダ・ファイルの整理整頓術は、日常的にパソコンを使う際に重要なスキルです。気が付けばフォルダやファイルが散らかりがちになり、目的のファイルをすぐに見つけられなくなったり、誤って上書きしてしまったり、間違ってファイルを消してしまったりすることは誰にでも起こり得ます。そのような状態は作業効率を下げてしまいます。業務改善のためにも、ファイル・フォルダの管理ルールの基本を押さえ、効率的な作業環境を整えることが重要です。以下に、おすすめできるファイル管理のルールをまとめてご紹介いたします。

1. 明確なルールの設定

まず、フォルダやファイルの整理に関するルールを統一することが必要です。特にファイルサーバやNASを複数人で共有する場合、どの場所にどのように整理するかを明確に決め、それを全員が遵守するようにしましょう。ルールがあまりに複雑になると逆に効率が落ちることもあるため、適度にシンプルで実用的なものが理想的です。個人利用の場合も、同様に整理のルールを決めることで、ファイルを迅速に見つけられるだけでなく、バックアップも容易になります。

例えば、フォルダ構成やファイル命名規則を決めた上で、エクセルなどで管理台帳を作成するのも効果的です。しかし、細かすぎるルールや台帳はかえって能率が下がる場合があるため、バランスが大切です。

2. 定期的な整理

フォルダやファイルの構成は定期的に”棚卸し”を行い、不要になったものは削除するかアーカイブフォルダに移動して整理を保つことが重要です。フォルダが乱雑になると、どこにデータが保存されているのか把握できず、誤って削除してしまうことが増えます。さらに、重複したデータが複数の場所に存在することで、間違ったファイルを使用するリスクも生じます。

3. フォルダ分けの基本

フォルダの整理は、大分類、中分類、小分類といった階層構造を用いるとわかりやすくなります。1階層に5~10個程度のフォルダを置くことで、一目で内容が把握できるようにしましょう。上層フォルダには直接ファイルを保存せず、なるべく小分類のフォルダ内にまとめるようにすると、より整理がしやすくなります。

たとえば、「作業1」「作業2」といった受け持っている作業ごとのフォルダを作り、それぞれに「見積」「請求」フォルダをサブフォルダとして配置することで、関連するデータが混ざらずに整理されます。

4. フォルダ・ファイルの命名規則

フォルダやファイル名は、シンプルかつわかりやすいものを採用しましょう。特に漢字や記号を多用すると、ファイルの並び順がわかりにくくなることがあります。数字やアルファベットを先頭に付けると、キーボード入力で簡単に選択できるため便利です。また、フォルダ名やファイル名は長すぎるとシステム上の制限に引っかかり、ファイルを開けなかったりコピーできなかったりする場合もありますので、適度な長さを保つことも重要です。

ファイル名に「決定稿」「最終版」などを採用する方もこれまでの習慣からいらっしゃるかもしれませんが、あくまでも紙で書類を管理する際のメモ書きとしては有効ですが、PCやHDDでのデータとなってくると時間が経つにつれどれが最新なのかわからなくなることがあります。

ファイル名の先頭や末尾に作成・更新日を記入することで、常に最新版を特定しやすくし、復旧作業が必要になった場合も容易に最新データを把握できるようになります。

5. クラウドストレージの活用とバックアップ

Google ドライブやDropbox、OneDriveなどのクラウドストレージを活用することで、異なるデバイス間でファイルを簡単に管理できるだけでなく、自動でバックアップも取れるため安心です。クラウド上でもローカル環境と同様に、フォルダ構造や命名規則を維持することで、整理された状態を保ちながら効率よく作業が進められます。

6. 重複ファイルの整理

同じ内容のファイルが複数の場所に保存されていると、作業効率が下がるだけでなく、誤って古いファイルを使用してしまう可能性も高まります。定期的に重複ファイルを見直し、必要なものだけを適切な場所に保存することで、ディスクスペースを節約し、混乱を防ぐことができます。

まとめ

一度整理されたフォルダやファイルも、時間が経つと再び乱雑になる可能性があります。ファイルの更新や新規作成のたびに整理整頓を意識し、定期的にメンテナンスを行うことが、長期的な効率化につながります。

このように、フォルダやファイルの整理整頓は日々の作業効率を向上させるために不可欠なスキルです。明確なルールを設定し、それを維持することで、ストレスなく快適な作業環境を整えることができます。

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