アクションカメラ(ウェアラブルカメラ)

アクションカメラは、従来のビデオカメラとは異なり、手に持つことなく、身体や装備に装着して使用できる小型カメラです。一般的なビデオカメラは手で持たなければなりませんが、ヘルメットや自転車、ドローンに取り付けて使用できるカメラが普及しており、スポーツやアウトドア活動の記録に適しています。

これらは総称して「アクションカム」や「ウェアラブルカメラ」と呼ばれています。着用可能であることを意味する「ウェアラブル」という名前が由来です。また、「スポーツカム」とも呼ばれ、Vtuberが利用していたり、Vlogやバラエティ番組で出演者が装着している姿を見たことがある人も多いのではないでしょうか。

ウェアラブルカメラとドローンの使用

ウェアラブルカメラに近い形態として、複数の回転翼を持つ小型のドローンにも小型カメラが搭載され、空撮(空中での撮影)などに利用されています。通常のウェアラブルカメラでは撮影できない視点や範囲の映像が撮れる点で大きな魅力があります。

耐久性とデータのリスク

ウェアラブルカメラは、防水性や耐衝撃性に優れた製品が多く、過酷な環境下でも使用可能です。ただし、想定外の強い衝撃を受けた場合や、操作ミスによりデータが削除されることもあります。こうした場合、データ復旧を提供している企業で、ウェアラブルカメラからのデータの復旧が可能です。

主なメーカーと代表的な製品

ウェアラブルカメラを製造している主要な国内メーカーには、SONY(ソニー)、Panasonic(パナソニック)、Nikon(ニコン)、RICOH(リコー)などがあり、海外メーカーではGoPro(ゴープロ)、Insta360(インスタ360)、Kodak(コダック)が代表的です。

  • GoPro
    アクションカメラ市場におけるリーダー的存在であり、GoProの製品は特にスポーツやアクティブなシーンで愛用されています。GoProの「HERO5 Black」などは、4K動画の撮影やRAW形式での高画質な静止画の撮影にも対応し、CMやミュージックビデオの制作にも利用されています。GoPro専用のドローン「Karma」もあり、スマートフォンや専用コントローラで操作可能です。
  • SONY
    ソニーのHDR-X3000やHDR-AS300は、4KやフルHDに対応しており、腕時計型のリモコンやスマートフォンのアプリで操作できます。GPSを搭載し、位置情報や速度、距離などを記録しながら撮影できるため、スポーツやアウトドア活動での利用に最適です。また、MP4や高画質フォーマットXAVC Sにも対応しており、臨場感ある映像が撮影できます。
  • RICOH
    リコーの「RICOH THETA V」は、フルHDの撮影に加えて、4K動画の撮影や360度全方位のパノラマ映像の撮影が可能です。高解像度の静止画撮影にも対応しており、独自のスティッチング技術により、自然な映像表現が実現できます。さらに、ライブストリーミング機能も搭載しているため、リアルタイムでの配信も可能で、イベントやプロモーションビデオの制作など幅広い分野で活用されています。
  • Panasonic
    パナソニックのウェアラブルカメラは、特に小型軽量化を重視しており、目線に近い視点での撮影が可能です。45gの重量で超軽量・超小型(棒状)ながら夜間撮影に対応した赤外線カバーの取り替えができるウェアラブルカメラを発売しています。
  • Kodak
    最近のトレンドである360度VR映像に対応したカメラも提供しています。小型の本体に広角カメラを搭載し、前後を同時に撮影して合成する仕組みを持っており、VRコンテンツの制作に活用されています。
  • DJI
    DJIの「Osmo Action」は、フルHDに加えて4K HDR動画の撮影に対応し、鮮明で高ダイナミックレンジな映像を記録できます。デュアルスクリーンを搭載しているため、セルフィー撮影やモニタリングが簡単に行え、Vlogやアクティブなシーンの撮影にも最適です。さらに、強力な手ぶれ補正機能「RockSteady」を搭載しており、動きの多い撮影でも安定した映像を実現。スポーツやアウトドア、プロモーションビデオなど、様々な用途で活躍しているモデルです。また、「Zenmuse X5」は、プロフェッショナル向けの高性能カメラで、主に空撮用ドローンに搭載されることを想定した設計となっています。マイクロフォーサーズ規格を採用しており、16メガピクセルの静止画や4K動画の撮影が可能です。優れた画質と広いダイナミックレンジを実現し、映像制作や映画撮影などの高度な撮影ニーズに応えます。さらに、交換可能なレンズシステムを採用しているため、撮影シーンに応じてレンズを選ぶことができ、柔軟な表現が可能です。また、3軸ジンバルによる強力な手ぶれ補正機能が搭載されており、空中での動きのあるシーンでも非常に滑らかで安定した映像を提供します。ドローン撮影だけでなく、地上のカメラオペレーションでもプロフェッショナルな結果を追求する場面で利用されています。
  • Insta360
    Insta360は2015年に中国で設立された深圳嵐ビジョン株式会社のカメラブランドのことです。アクションカメラ、360度カメラ、180-3Dカメラなどを開発しています。
SDカードについて

データ保存方法

ウェアラブルカメラで撮影された映像は、MPEG-4 AVC(MP4形式)で保存されることが一般的です。その際、CLIPフォルダ等の名称でフォルダを作り整理することをおすすめします。また、一部のモデルはXAVC Sなどの高画質形式に対応しています。Wi-Fi機能を搭載したモデルは、専用アプリを通じてスマートフォンやタブレットから操作や再生が可能です。SDカードやmicroSDカードを使ってデータを保存するため、通常のカメラ同様にパソコンへコピーすることができます。

注意点

注意点として、ウェアラブルカメラは小型軽量化されているため、バッテリー容量が限られており、連続撮影時間が短くなることが多いです。特に寒冷地ではバッテリー性能が低下しやすいため、撮影前に十分に充電しておくことが推奨されます。また、ドローン用のカメラでは飛行時間が制約されているため、より短い撮影時間を前提に使用する必要があります。

データ損失への対応

万が一、撮影データにアクセスできなくなった場合でも、専門のデータ復旧サービスを利用することで、データを復旧できる可能性があります。ただし、物理的に破損したmicroSDカードは、復旧が難しい場合があるため、取り扱いには十分な注意が必要です。

ウェアラブルカメラの市場は今後も拡大が予想されており、小型化や性能の向上が進む中で、様々な用途に対応した新しい機能が追加されていく可能性が高いです。

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