LTO(磁気テープ)とハードディスク(HDD)の比較
データ保存用のテープメディアについては、読み書き速度が遅い、ランダムアクセスができない、トラブルが多く取り扱いが面倒だという印象を持っている方が多いかもしれません。しかし、現在ではテープメディアはハードディスクと比較して、コストや利便性、さらには信頼性の面でも非常に高い評価を得ている記録メディアです。
■テープメディア(磁気テープ)によるバックアップについて
https://www.datasmart.co.jp/knowledge/tapemedia-backup/
LTOテープについて
ここでは、磁気テープ(LTOテープ)とハードディスク(HDD)を比較し、その理由を解説します。
項目 | LTOテープ | ハードディスク (HDD) |
---|---|---|
大きさ | 105mm × 102mm × 21mm | 146mm × 102mm × 25mm |
体積あたりのデータ容量比 | 優れている | 劣る |
消費電力 | 読み書き時のみ電力消費、アイドル時はほぼゼロ | アイドル時でも5~10W消費 |
コスト | 初期コストは高いが、増設時のランニングコストは低い | 初期コストは低いが、長期的には高コスト |
転送速度 | 非圧縮時300MB/s、圧縮時750MB/s | 150~250MB/s |
ランダムアクセス性能 | 不向き | 向いている |
エラー発生率 | HDDの1/10,000程度 | 比較的高い |
適した用途 | 頻繁にアクセスしないデータ、世代ごとのバックアップ | 頻繁にアクセスするデータの保管 |
- 大きさ
・LTOテープ:105mm×102mm×21mm
・ハードディスク(3.5インチ):146mm×102mm×25mm
テープは若干小型ですが、大量のバックアップを前提とした場合、体積あたりのデータ容量比ではテープが優れています。 - 消費電力とコスト
テープはデータの読み書き時のみ電力を消費し、アイドル時の電力消費はほぼゼロです。一方、ハードディスクはアイドル時でも5~10Wの電力を消費するため、長期保管時には大きな差が生じます。また、テープシステムは初期導入コストが高いものの、増設時にはカートリッジを追加するだけで済み、電力消費も増加しないため、ランニングコストは大幅に抑えられます。 - 転送速度
・テープ(LTO-8):非圧縮時300MB/s、圧縮時750MB/s
・HDD:150~250MB/s程度
転送速度に関しては、テープの方が速いですが、ランダムアクセスには不向きです。バックアップのように主に書き込みを行う場合には問題ありませんが、頻繁に読み書きが行われる用途にはHDDが適しています。 - エラー発生率
エラー発生率の比較は難しいですが、ビットエラー率(bit error rate)で測定すると、テープのエラー発生率はHDDの1/10,000程度とされています。
テープメディアは頻繁にアクセスしないデータや世代ごとのバックアップデータの保管に適しており、HDDは頻繁にアクセスするデータの保管に適しています。テープの利点を活かして、データのバックアップや過去のデータの利用をお考えの際は、データスマートにご相談ください。カタログ作成やデータの集約など、さまざまな対応が可能ですので、お気軽にお問い合わせください。