チェックディスクについて

チェックディスク(Check Disk)とは、コンピュータのファイルシステムやハードディスクのエラーを検出・修復するためのツールです。Windowsには標準でこの機能が搭載されており、主に「chkdsk」というコマンドで利用できます。チェックディスクは、ハードディスク、USBメモリ、その他のストレージデバイスに対しても実行できます。

Windows起動中にチェックディスクが起きる事例

Windows Vista / Windows 7のパソコンの場合

Windows VistaやWindows 7では、システムの起動中にチェックディスクが自動的に実行されることがあります。これは、システムが前回のシャットダウン中にエラーを検出した場合や、ディスクの不整合を検出した場合に発生します。通常、起動時に「Checking file system」、「10 seconds」と表示され実行までのカウントダウンが行われます。「ディスクのチェックがスケジュールされています」と表示され、ユーザーが何もしなければチェックディスクが開始されます。ただし、キーボードを押すことでチェックディスクをスキップすることが可能です。

チェックディスクは実行されたら中断することはできません。そのため電源ボタンを押して強制シャットダウンするかチェックディスク完了まで待つ必要があります。

Windows 8以降のパソコンの場合

Windows 8以降では、チェックディスクのプロセスが改良され、より効率的かつ迅速にエラーを検出・修復できるようになりました。また、日本語での表示となったので何が行われているかわかりやすくはなったかと思います。Windows 8や10では、システムがバックグラウンドでディスクの状態を監視し、必要に応じてメンテナンスを行います。起動時にユーザーの介入を求めることは少なくなり、必要な場合のみ再起動後にチェックディスクが実行されます。

WindowsOS起動後、プロパティからチェックディスクをかける方法

  1. エクスプローラーを開く: まず、エクスプローラーを開きます。
  2. ディスクを選択: チェックしたいドライブ(通常はCドライブ)を右クリックし、「プロパティ」を選択します。
  3. ツールタブを開く: プロパティウィンドウで「ツール」タブを選択します。
  4. エラーチェックを実行: 「エラーチェック」の項目で「チェック」をクリックし、ディスクのチェックを開始します。

意図せずチェックディスクになる場合

チェックディスクが意図せず実行される場合の多くは、前回のシャットダウンが正しく行われなかった場合や、ハードディスクに物理的な問題がある場合です。これらの原因としては、突然の電源断、システムクラッシュ、ディスクの老朽化などが考えられます。このような状況では、まずバックアップを取ることが推奨されます。

チェックディスクによるデータ消失が発生した場合の確認方法

チェックディスクがデータを修復する過程で、損傷したファイルを削除したり、アクセス不能にすることがあります。データ消失が発生した場合、以下の方法で確認します。

  1. チェックディスクのログを確認: イベントビューアーを開き、Windowsログの「アプリケーション」セクションで「Wininit」または「Chkdsk」として記録されたログを探します。ここには、チェックディスクが修復した内容や削除したファイルに関する情報が記載されています。
  2. ファイルシステムのスキャン: データ復旧ソフトウェアを使用して、失われたファイルをスキャン・復旧することができます。特に重要なデータの場合は、専門のデータ復旧サービスを利用することも検討します。
  3. バックアップの確認: 事前にバックアップを取っている場合、バックアップから失われたデータを復元することができます。

以上が、チェックディスク機能に関する解説です。バックアップの重要性を再認識し、定期的にシステムのメンテナンスを行うことが、データの安全性を保つために重要です。

チェックディスクによるデータ消失が発生した場合の確認方法

チェックディスク(CHKDSK)でデータが消失した場合の確認方法

チェックディスクの実行によりファイルが消失した際、ドライブのルートディレクトリに「FOUND」で始まる隠しフォルダが作成され、その中に「.chk」ファイルが保存されることがあります。このフォルダは、システムがエラー修復時に断片化したデータを再配置するために生成されるものです。

「FOUND」で始まる隠しフォルダ

「FOUND」フォルダが作成されるのは一例であり、OSのバージョンや使用しているストレージの種類によっては、このフォルダが生成されない場合もあります。また、このフォルダは隠し属性として作成されるため、表示設定で隠しファイルを表示するように変更しない限り、見つけることができません。

注意点

  • システムの復元はデータの復旧には無効: システムの復元を行っても、消えたファイルは元に戻らず、逆にシステムの状態が悪化するリスクもあるため、データ復旧には効果がありません。
  • 即時対応が重要: データ消失が判明した時点で、できるだけ早く対応することが重要です。新たなデータの書き込みやシステムの操作を続けると、失われたデータの上書きが進み、復旧が困難になる可能性があります。
  • 専門業者への相談: チェックディスクによるデータ消失に限らず、他の理由でデータが消失した場合も、早めにデータ復旧の専門業者に相談することをお勧めします。誤った操作や無理な復旧作業は、状況を悪化させることがあるため、専門家のアドバイスを受けることがおすすめできます。

まとめ

古くはスキャンディスク(SCANDISK)と呼ばれていたファイルシステム異常検査ツールですが、現在ではチェックディスクと呼ばれ利用されています。あくまでもファイルシステムの以上を検知するのみです。バックアップがないハードディスクやUSBメモリなどの媒体が壊れてしまった場合にスキャンディスクを行うことでシステムが壊れたり、正常なファイルが破損したりするとデータ復旧が必要となることもありますので、使用の際には十分に仕組みを理解した上で使われることが望ましいかと思われます。

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