SDカードやUSBメモリの容量偽装

SDカードをAmazonなどで安価に購入できた!と喜んで利用していたのに、粗悪なSDカードを販売する悪質な業者が作る偽ブランドであることが少なくありません。SDカードの容量偽装がデータ復旧に及ぼす影響は非常に深刻です。偽装されたSDカードでは保存可能容量が記載情報と合っていないため、データが正しく保存されず、データの損失や破損が発生する可能性が高くなります。以下に、具体的な影響とその理由を詳しく説明します。

SDカードについて

容量偽装の例

:購入した64GBのSDカードが、実際には8GBしか保存できず、8GBを超えるとデータが破損してしまう。

SDカードの容量偽装とは、SDカードの実際の容量よりも大きな容量があるように見せかける詐欺的な行為です。これにより、ユーザーは購入したSDカードが表示された容量を持っていると思い込む一方で、実際にはその容量に遠く及ばないことが多いです。特に他の商品と比べて非常に安価なSDカードを購入した場合に被害に合うことがあります。これはデータ復旧にも影響がかありますので、以下に、SDカードの容量偽装について詳しく解説します。

容量偽装の仕組み

容量偽装は、主にSDカードのファームウェアを改ざんすることで行われます。具体的には、次のような方法が用いられます:

  1. ファームウェアの改ざん
    • SDカードのファームウェア(内部プログラム)が改ざんされ、コンピュータやデバイスに接続した際に、偽の容量情報を報告するように設定されます。例えば、実際の容量が8GBのSDカードが、64GBとして認識されるように改ざんされることがあります。
  2. パーティションの操作
    • 一部の偽装では、SDカードに複数のパーティションが作成され、一部のパーティションだけが実際に機能するように設定されます。残りのパーティションは存在しないか、極めて小さい容量しか持っていません。

容量偽装の影響

容量偽装されたSDカードを使用すると、以下のような問題が発生します:

  1. データ損失
    • SDカードにデータを書き込んでいくと、表示された容量に達する前に突然データが破損する、保存されない、または読み取り不可能になることがあります。これは、実際の容量を超えた部分に書き込みが行われるためです。
  2. 信頼性の欠如
    • 容量偽装されたSDカードは信頼性に欠けるため、重要なデータを保存するのに適していません。データの損失や破損のリスクが高いため、信頼性が要求される用途には使用できません。
  3. パフォーマンスの低下
    • 偽装されたSDカードは、品質の低い部品や製造プロセスで作られていることが多く、正規品に比べて速度や耐久性が劣ります。

容量偽装がデータ復旧に及ぼす影響

  1. データ破損の頻発
    • 容量偽装されたSDカードは、実際の容量以上にデータを書き込もうとすると、ファイルシステムのエラーやデータ破損が発生します。このような場合、データが完全に失われるか、ファイルが部分的に破損してしまうことが多いです。
    • 破損したデータは、通常の復旧ツールでは修復が困難です。特に、ファイルシステム自体が破損している場合、復旧の難易度がさらに高まります。
  2. データの読み取りエラー
    • 偽装されたSDカードでは、特定のセクターが存在しないか、正しく機能しないことが多いため、データの読み取り時にエラーが発生します。これにより、ファイルが開けない、コピーできないなどの問題が生じます。
    • 読み取りエラーが頻発する場合、復旧ソフトウェアでもデータにアクセスできないことが多く、復旧の成功率が低下します。
  3. 誤認識による復旧困難
    • ファームウェアが改ざんされているため、復旧ソフトウェアがSDカードの正しい構造や容量を認識できないことがあります。これにより、正確なデータ復旧が難しくなります。
    • 誤認識により、復旧ソフトウェアが無効なセクターや誤ったパーティション情報を基に処理を行うことになり、結果的にデータがさらに破損するリスクもあります。
  4. 復旧ツールの限界
    • 一部の高度な復旧ツールは、物理的なディスク構造に依存して動作するため、偽装されたSDカードのように改ざんされたファームウェアを持つデバイスには対応できないことがあります。
    • このようなツールを使用しても、偽装された情報に基づいて処理が行われるため、実際のデータ構造を把握できず、正確な復旧が困難です。

データ復旧のための対策

  1. 早期発見とバックアップ
    • 容量偽装されたSDカードを早期に発見するためには、購入後すぐに検証ツール(例:H2testw、F3)を使用して容量を確認することが重要です。特にオンラインで購入した場合には偽装されたSDカードの発見が遅れてしまいます。
    • 偽装が発覚した場合、すぐに使用を中止し、可能な限りデータを他の信頼できるストレージにバックアップします。
  2. 専門のデータ復旧サービスの利用
    • 偽装されたSDカードのデータ復旧は、通常のソフトウェアでは困難な場合が多いため、専門のデータ復旧サービスを利用することを検討します。専門家は、物理的なディスク解析やファームウェアの修正を行う能力を持っています。
  3. 信頼性の高いストレージの使用
    • 将来的なデータ損失を防ぐためには、信頼性の高いブランドのSDカードを使用し、正規の販売店から購入することが重要です。
    • 定期的なバックアップとデータの複製を行うことで、万が一のトラブルに備えることができます。

まとめ

SDカードの容量偽装は、データの保存と復旧に大きなリスクをもたらします。偽装されたSDカードを使用することで、データが正しく保存されず、破損や損失が発生しやすくなります。これにより、通常のデータ復旧ツールでは対応できない場合が多く、専門のデータ復旧サービスの利用が必要になることがあります。偽装されたSDカードの使用を避けるためには、信頼性の高い製品を選び、購入後すぐに検証を行うことが重要です。また、定期的なバックアップを行い、データ損失のリスクを最小限に抑えることが推奨されます。

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