システムの復元とWindows バックアップの違い
システムが不安定になったり、マルウェア感染などによる問題が発生した場合のトラブル解決ツールである「システムの復元」と「Windowsバックアップ」について違いを解説させていただきます。
目次
システムの復元について
システム復元は、ユーザーの個人ファイル(例えば文書(Word)、写真・画像、音楽ファイル)の復元には影響を与えず、主にシステム関連のファイルと設定の回復に使用されます。Windowsのシステムの復元機能は、コンピューターのシステムファイル、プログラム、レジストリ設定、インストールされたアプリケーションなどのシステム状態を、以前の特定の時点に戻すことができる機能です。
システム復元の利用方法
- システム復元ポイントの作成: Windowsは定期的に「システム復元ポイント」を作成しますが、ユーザーは手動で新しい復元ポイントを作成することもできます。これは、新しいプログラムのインストールやシステム設定の変更前に特に役立ちます。
- システムを以前の状態に復元: 何らかの問題が発生した場合、ユーザーはシステム復元を使用して、以前のシステム復元ポイントにシステムを戻すことができます。これにより、問題の発生前の状態にシステムを復元することが可能です。
システム復元の実行手順
- コントロールパネル、システムとセキュリティ、システムにアクセスします。
- システム保護タブをクリックします。
- システムの復元を選択し、ガイドに従って操作します。
システム復元の利点と制限
- メリット:
- システムの不具合やマルウェアによる問題を効果的に解決できる。
- ユーザーの個人データには影響を与えず、システム関連のファイルのみを対象とする。
- 比較的簡単に実行できる。
- 制限:
- すべての問題を解決できるわけではない。例えば、ハードウェアの故障には対応できません。
- システム復元ポイントはディスクスペースを消費するため、古いものは自動的に削除されることがあります。
- マルウェアがシステム復元ポイントに感染している場合、復元しても問題が解決しないことがあります。
Windows バックアップ
Windowsバックアップは、重要なデータを保護し、システム障害やデータ損失のリスクから回復するための強力なツールです。Windowsでは、複数のバックアップソリューションが提供されており、バージョンによって利用できる機能が異なります。主に、以下のようなバックアップ方法があります。
1. ファイル履歴
ファイル履歴は、Windows 8から導入された機能で、ユーザーのドキュメント、音楽、画像、ビデオなどの個人ファイルを定期的にバックアップします。外部ドライブやネットワーク上のドライブにバックアップを保存することができ、ファイルが誤って削除されたり破損したりした場合に、簡単に復元することができます。
2. バックアップと復元(Windows 7)
Windows 7で導入され、Windows 10でも利用可能な「バックアップと復元(Windows 7)」機能は、完全なシステムイメージのバックアップを作成することができます。これにより、ハードドライブ全体をバックアップし、システムの完全な復元を可能にします。また、個別のファイルやフォルダのバックアップもサポートしています。
3. システムイメージバックアップ
システムイメージは、コンピューターのシステムドライブと必要なシステムパーティションを完全にコピーするバックアップです。これにより、システムドライブ全体を復元することが可能になり、システム障害やハードウェアの故障からの回復時に、オペレーティングシステム、アプリケーション、設定、個人ファイルを元の状態に戻すことができます。
バックアップの設定と使用
- ファイル履歴の設定: 設定メニューから「更新とセキュリティ」>「バックアップ」にアクセスし、ファイル履歴の設定を行います。バックアップするドライブを選択し、バックアップの頻度とバックアップデータの保持期間を指定します。
- バックアップと復元(Windows 7)の使用: コントロールパネルから「システムとセキュリティ」>「バックアップと復元(Windows 7)」に進み、画面の指示に従ってバックアップを設定します。
- システムイメージの作成: 「バックアップと復元(Windows 7)」メニュー内にある「システムイメージの作成」オプションを使用して、システムイメージのバックアップを外部ドライブに保存します。
注意点
- バックアップは、外部ドライブや安全な場所に保存することが推奨されます。これにより、コンピューターの物理的な問題からもデータを守ることができます。
- 定期的なバックアップをスケジュールし、常に最新のバックアップが利用可能であることを確認してください。
まとめ
システムの復元は、Windowsを利用する上で重要なトラブルシューティングツールの一つですが、Windowsバックアップの定期的なバックアップと合わせて使用することでデータを喪失することを防ぐことができます。あくまでもシステムの復元は壊れたシステムを復元するためのものであり、消してしまったファイルや削除したデータを復元する場合には利用することができません。